サワードゥ・ブレッドと健康:グルテンと消化

サワードゥ・ブレッド「最も健康的なパン」と謳われます。本当でしょうか?

ともあれサワードゥ・ブレッドが今注目されている理由に、健康との関わりが絡んでいるのは間違いありません。


周囲の友人知人の反応を見ていると、まず注目されているのはグルテンの問題だと感じます。
つまりサワードゥ・ブレッドってグルテンが少ないと言われているけど実際どうなの? と。

 

なぜグルテン量が減少するのか?

1.発酵過程で分解される

サワードゥ・ブレッドは他のパンと比較するとグルテンが少ないと言えます。これは長時間の発酵過程で起こる、おもに乳酸菌と酵母の相互作用によるものです。

 

発酵中に乳酸菌が生成する酢酸と乳酸が、グルテンのタンパク質を部分的に分解します。この分解によってグルテンの構造が変化して、最終的にグルテンの含有量が減少します。

 

発酵過程で生成される酵素もグルテンの減少と関わっています。なかでもプロテアーゼと呼ばれる酵素が、グルテンを分解して消化しやすい状態にすることに寄与しています。

 

2.小麦粉の種類の影響

 

グルテン量の減少は乳酸菌と酵母の相互作用だけではなく、使用する小麦粉の種類によっても影響されています。もともとのグルテン含有が低い全粒粉やライ麦粉を使う場合は、パンになっても全体のグルテン量がさらに少なくなります。

 

3.長時間の発酵の影響

サワードゥ・ブレッドをつくるために長時間の発酵が行われることが一般的です。長い時間をかけることで、酵母と乳酸菌はより多くの酵素を生成し、グルテンの分解が進みます。

このようにサワードゥ・ブレッドは他のパン(主にイーストなどのパン酵母を使用しているパン)と比較すると、グルテンの含有量は少ないのです。

 

消化への影響

グルテンが部分的に分解されていることにより、消化が容易になります。消化器官への負担が少なくなり、栄養素を吸収しやすくなるのです。

 

そのため、サワードゥ・ブレッドはグルテン不耐性やアレルギーをもつ人々にとって受け入れやすい選択肢になる可能性があります。ただしグルテンフリー食品ではありませんから、完全に安全だとは言えません。注意は必要ですが、一般的なパンよりも症状が軽減されることがあるという報告は存在します。

 

過敏性腸症候群(IBS)を抱える人にとっては、グルテンの部分的分解は症状を軽くする可能性があります。

 

乳酸菌は腸内の善玉菌を増やして腸内環境を改善するのを助けます。さらにサワードゥ・ブレッドに含まれる豊富な食物繊維が腸内フローラのバランスを整える手助けをします。

 

食後にお腹が張ったり、苦しくなることがないため、多くの人が安心して楽しむことができるのがサワードゥ・ブレッドだとは言えるでしょう。

 

グルテンの功罪

小麦に含まれるタンパク質がグルテン。パンの弾力性や構造のもととなるものです。身体に良い面と悪い面があるのですが、ここで整理してみましょう。

 

利点:食品に弾力性を与え、食事を楽しめるようになる。ビタミンB群、鉄分、食物繊維などを豊富に含む。満腹感を持続させ過食を防ぐ

 

悪影響:消化が難しく、腸内に蓄積すると腸内環境を悪化させる可能性があり、便秘や下痢、腹痛などの不調が生じることがある。セリアック病という自己免疫疾患をもつ人々にとっては、腸の内壁を損傷し栄養吸収を妨げる原因となる。摂取後に皮膚の発疹、消化不良、倦怠感などの症状が現れるアレルギー反応をもつ人々も存在する

 

つまりセリアック病やグルテン不耐性の人々にとっては、グルテンを避けることが重要です。しかしこれらの疾患をもたない人々にとっては、適量のグルテンは栄養価が高い。しかし、摂りすぎは避けたいと考えている人が増えているのではないかと思います。

 

グルテンが健康に与える影響は個人差が大きいと研究で指摘されています。だから一概には言えないのですが、他のパンと比べてグルテン含有量が少ないサワードゥ・ブレッドは、多くの人の日常に寄り添うことができる選択肢になります。

【つづく】

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